いよいよ帰国の途に

quechee2009-09-23

長いようなあっという間のような旅行だったが、いよいよ帰国。といっても、一筋縄には行かず、パリからシンガポール経由の約20時間かけての帰国となる。直接には、シルバーウィークの影響で全日空の直行便が取れなかったことが理由だが、実はシンガポール航空にほぼ独占的に導入されている総二階建ての新型飛行機A380に一度乗ってみたかったという野次馬的な理由もある。

シャルルドゴール空港での出域審査でも「アリガトウ!」とやけにハイテンションな管理官だったが、フランスの役人というのは基本的にこんなハイな状態で仕事をしているのだろうか。搭乗口にはかなり多くの人が集まってきており、やはり大きな飛行機、これだけの人を飲み込んでしまうんだなあと感慨。実際、ガラスの向こうに見えるA380は本当に巨大で、「これ、本当に飛ぶの?」という感じさえ受ける。

搭乗が開始され、いよいよ機内に。座席は2階だったので階段を上がる。ファーストクラスに相当する「スイート」が1階の前部にあるのだが、コンパートメント化されており、こりゃすごいなと思った。僕はビジネスだったのだが、行きの全日空でアップグレードしてもらったファーストと同じくらいのスペースに2人並んで座れるくらいの大型の革張りの座席がある。モニターで座席の使用方法が説明されていたが、寝たいときには座席をひっくり返すことにより本当のフルフラットになるとのこと。ビジネスが一般のファーストと同じような感じだろうか。

シンガポール航空を利用するのはおそらく10年ぶりくらいだが、どんなランキングでも常に上位になるキャリアがどんなサービスなのか期待していた。パリ路線というフラグシップ路線であることも影響しているのだろうが、「やっぱりすごいわ」というのが率直な感想。座席の快適さやエンターテイメントプログラムの充実度(含、日本語プログラム)などのハード面はもちろんのこと、食事のレベルやCAの応対などソフト面も素晴らしい。シンガポールではシンガポール航空が基幹企業であり、かつそのCAは競争率の高いあこがれの職業とのことだが、CA一人ひとりが良い意味のプライドを持って生き生きとモチベーション高く仕事をしているのが、そのバックボーンなのだろう。フィードバックの回収にも余念がない。前回搭乗したときよりもかなりのレベルアップが感じられたのが何よりもすごい。申し訳ないが、全日空もまだまだ精進する余地がある。CAが日本語を話さないのさえ気にならなければ、お薦めのキャリアである。

かなり気持ちよい状態で12時間強を過ごさせてもらいつつ、シンガポールへ向かううちに日付が変わる。フライトマップの現在地表示がアフガンのカブール上空でフリーズし、機長が「計器に異常はなく、飛行は順調ですのでご安心を」と放送を入れたのはご愛敬か。